2024-02-06

三菱UFJフィナンシャル・グループ社長・亀澤宏規「金融とデジタルの力で、分断の時代に『つなぐ』存在になっていく!」

亀澤宏規・三菱UFJフィナンシャル・グループ社長




「黒子」となって銀行機能を提供

 ─ デジタル時代を迎えたというのは、亀澤さんが登場された背景にもあると思いますが、社長就任後の4年間の取り組みをどう振り返りますか。

 亀澤 自社のデジタル化の中で、コスト削減や粗利を増やすといった取り組みを進めてきましたが、3年間で2000億円ほどの効果が出る見込みです。

 また、「顧客DX(デジタルトランスフォーメーション)」と呼んでいますが、お客様のDXをサポートする仕事にも取り組んできました。

 一例が「BaaS」(Banking as a Service=銀行が提供する機能やサービスを、様々な企業が自社サービスに組み込んで利用できるようにする仕組み)です。我々はバンキングが得意ですから「黒子」になってお客様のアプリの中に入っていく。

 例えば、小売りの企業さんがアプリを作ったとして、その中では決済が必ず発生します。その決済を我々が裏側から提供することでお客様のDXが進む。バンキングはコンプライアンスや決済にミスがないようにするといったことが必要ですから、非常に難しい仕事です。これを我々が黒子として提供する仕事を進めているんです。

 ─ その意味で、金融業の姿は大きく変わってきたと。

 亀澤 目に見える部分と見えない部分、その両方を我々は担っており、活動する範囲が広がっています。銀行はフィンテックなどに攻め込まれているイメージがあると思いますが、フィンテック事業が伸びれば伸びるほど、裏側にいる我々の決済の仕事も伸びていくのです。

 ─ インフラとしての役割を果たしていると。

 亀澤 インフラであると共に、私は「プラットフォーマー」だと考えています。

 ─ 長年培ったノウハウなど総合的な力が問われますから、一朝一夕には真似できませんね。

 亀澤 ここの部分は他の人では担えないと思っています。

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