2021-09-06

ミキハウスグループ代表・木村皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第19回)



アジアの富裕層をどう引きつけていくのか?



 では、海外の富裕層、特に身近なアジアの富裕層をどう引きつけていくのか?

「僕は準備していますよ。それがインバウンド需要なんです」

 しかし、訪日客がコロナ禍でほぼゼロになっているのではないかと疑問をぶつけると――。

「わたしどもの場合、本社がある大阪・八尾まで外国人の方々が買いに来てくれています。ものすごい数ですよ」と木村。

 日本在住の中国の人々が母国の知り合いから頼まれて、ミキハウスの本社までやって来て大量に商品を買っていくのだという。これら商品を購入していく人たちはいわば代理人。日本在住の中国人が購入してくれるということである。

「何ていうのか、向こうの消費者が欲しくてしようがないから、日本に住んでいる人に連絡して買ってきてもらうということだと思うんです」

 大阪・八尾市の本社には、週明け月曜日の朝ともなると、9時過ぎには駐車場もお客さんの車で一杯に埋め尽くされる。

 それは中国のお客さんの間に、ミキハウスの商品の品質が良く、自分たちの子供たちに健やかに育ってほしいと願う気持ちがあってのことである。

「この間も、午前9時前に会社に行ったら、40~50人の中国人の方々が、店が開くのを待っているんですよ。うちは9時半まで朝礼をやっているので、いつも『ちょっと待ってください』とお願いしているんです」

 これは世界一の子供服・ベビー服をつくる――という創業以来の高品質な商品づくりがコロナ危機でも地力を発揮しているということであろう。

 そして、人口減・少子化という人口構造や経済そのものの行方を見据えて、海外需要の開拓をにらんで手を打ってきたことが、コロナ危機の今、功を奏していると言っていい。

(敬称略、以下次号)

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事