2022-08-21

【『財界』創刊70周年】「道を拓く」経済リーダーと共に



財政と民間経済

 課題はいつも存在する。1981年に第二次臨調(第二次臨時行政調査会)が発足。日本経済の成長を支えた財政出動により国の借金をどうするかという課題に直面したからだ。当時の会長・土光敏夫氏(元東芝社長・会長)は「戦後、日本の企業は政府にお世話になった。今
は恩返しのとき」として財政再建策づくりに奔走した。

 このときジャーナリスト出身で日本経済新聞社会長(当時)の圓城寺次郎氏も補佐役として臨調に入った。民間の知恵や力を活用しての財政再建への参画。

〝メザシの土光〟と言われた土光氏の信条は「明治人らしく質素倹約」。水ぶくれの日本の財政改革には打ってつけの存在。

 土光氏自身、戦後の東芝危機に当たり、石川島播磨重工業(現IHI)のトップから東芝再建を引き受け、その実績が買われて経団連会長にも就任。東芝は土光氏の前の時代にも危機に陥り、第一生命保険のトップだった石坂泰三氏が再建に乗り出したという経緯。今回、東芝
が〝三度目の危機〟でガバナンス能力を失い、ファンドの思惑の中で漂流しているのは残念と受け止める向きは多い。

 企業経営はそのトップの思想・哲学、リーダーの生きざまに大きく左右されるのは昔も今も同じである。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事