「3・5ルール」を基本に
―― 結局、加賀イズムというのはそこですよね。思い切って社員にやらせてみると。
塚本 そうなんです。われわれは社員の提案に対して、基本的に「NO」と言ったことはありません。新しくチャレンジするにあたって計画書を出せと言っても、成功する絵作りしかしてきませんから、うちではそんな計画書もいりません。とにかく、自分で考え、人も集めて、資金繰りをやって、とにかく行動してくれと。それだけなんです。
―― それが塚本流の育成術になりますね。
塚本 ええ。ただ、もちろんルールはあります。「3・5ルール」と言って、3年で単年度の損益を黒字にするということと、5年で累積赤字解消ということを一つの目安にしています。
やはり、初めは赤字が出ても仕方ないから、3年目で期間損益をプラスにしようと。ここでプラスにならないと、ピンチヒッターを送ったり、交代することもあり得るよという条件で始めるんです。社員は自分でやりたいと言って始めるのですから、やる気になりますよね。
そうやって、いろいろなことを経験し、それを糧に人として成長してくれればいいと。やはり、当社の成長において大事なことは「人」に尽きます。