2022-11-11

【政界】日本再生が必要な今、なぜ岸田政権は旧統一教会問題で躓くのか?

illustration by 山田 紳



「高村がいれば…」

 外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」など政府の安保関連3文書の改定に向けて「外交安全保障に関する与党協議会」が10月18日にスタートした。相手国のミサイル発射拠点などをたたく「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の保有の是非や、来年度以降の防衛費増額が焦点だ。 

 協議会の設置までには自民、公明両党のさや当てがあった。自民党は国防族議員ら実務者で運営しようとしたが、公明党は「防衛費の増額、その財源の問題もあるので、もう少しハイレベルな協議が必要」(政調会長の高木陽介)と難色を示した。 

 結果的に、協議会は自民党副総裁の麻生太郎、公明党副代表の北側一雄をトップに、両党の幹事長、政調会長らで構成することにし、下部組織として実務者によるワーキングチームを置いた。 

「集団的自衛権の行使を議論していた頃は、弁護士出身の北側さんと高村(正彦前副総裁、引退)さんがけん引した。今は北側さんのカウンターパートが自民党側にいない」。与党幹部が指摘するように、着地点は見通しにくい。 

 防衛費増額の財源に関しては、自民党税制調査会長の宮沢洋一が所得税や法人税の増税案を唱えるのに対し、与党には「つなぎ国債」も選択肢にすべきだという意見があり、まだ対策はまとまっていない。 

 岸田はどのような国づくりを目指すのか。年末の来年度予算編成でその答えを出すことが、政権が再浮揚する条件になる。 

(敬称略)

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