2022-12-19

【公立病院改革の第一人者】監査法人長隆事務所・長隆代表「病院経営も〝人〟が全て。病院の理事長同士がまとまれば効率的な医療ができる」


 ─ 名古屋市の病院改革の主導役になったのですね。名古屋大学も刺激を受けたのでは?

 長 そうかもしれませんね。名古屋大学も岐阜大学の運営法人と統合し、「東海国立大学機構」を発足させましたからね。また、名古屋市立大学の取り組みを参考にしているのが三重県です。長年、医師不足が続いていたようですが、今では研修医の募集で競争倍率が出るほどに集まり、医師も急増し、医師不足が解消されています。

 ─ 最後に監査法人である長隆事務所は監査法人では珍しく基本理念を掲げています。この理由を聞かせてください。

 長 おっしゃるとおり、当法人は「すべての人に健康と福祉を 住み続けられる町づくりに貢献する」という基本理念を掲げています。

 通常、監査法人の使命は監査をすることですから、監査法人の理念には監査の質について謳うケースがほとんどです。つまりは監査をやればいいというスタンスになっています。さらに言えば、基本理念すら掲げていない監査法人があることも事実です。

 しかし、私は監査を通じて何を実現するかということが重要だと思うのです。ですから、当法人は「すべての人に健康と福祉を 住み続けられる町づくりに貢献する」ために監査をさせていただいているというスタンスでいます。そういった視点の理念を掲げる監査法人は珍しいと思います。

 監査法人は単に監査をしてあげるという姿勢ではなく、持続可能な町づくりに貢献するという目標のために監査をしているのです。これを忘れてはいけません。


おさ・たかし
1941年生まれ。64年早稲田大学第二政治経済学部。67年税理士試験合格。71年監査法人太田哲三事務所入所。75年公認会計士第三次試験合格。76年公認会計士長隆事務所開業。2002年税理士部門を法人化、東日本税理士法人に名称変更、代表社員に就任。総務省地方公営企業アドバイザー、総務省公立病院改革懇談会座長など多数の公職を歴任。

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