母子の面倒を見る一端を担う
─ ということは、個人がお金を負担するわけですね。
長 はい。おそらくそういったお金の出し手は、おじいちゃんやおばあちゃんになるのではないかと。孫のためにはお金を出そうという人が一定数いることは間違いありませんからね。さらに土地や建物を行政や医療機関などが保有し、運営だけを民間がやれば固定費が低く抑えられる分、利益も出やすい。
ですから例えば幼稚園を運営している法人のトップが将来は少子化で子供の数が減ってしまい、経営が厳しくなるかもしれないと考え、幼稚園を全てやめて産後ケアを始めようというケースが出てきたっておかしくないわけです。幼稚園が難しくなれば、その土地を行政に買ってもらって、そこに産後ケアをつくれば資金も抑えられます。
─ そうすると産後ケアは収益性の高い事業になります。
長 はい。ですから、先のセミナーではそういったことを強調して企業関係者の方々に聞いて欲しいと思っているんです。産後ケア施設は儲かるから、企業にはどんどん進出していただきたいということですね。
─ 定着していけば少子化対策にもつながりますね。
長 そこまでいくと嬉しいですね。保険でお産ができるようにしようと国も動いているようですが、そもそも子どもを産み育てるだけの経済力がないことが根本的な原因でもあります。その中で2人目、3人目と子どもを産んでもらうには、母子ともに面倒を見ることができるような環境づくりが欠かせません。産後ケアがその一端を担えるのではないでしょうか。