2024-03-05

三井住友FG新社長・中島達の「課題解決型ビジネス」「国内基盤再強化、そしてアジアで勝負!」

中島達・三井住友フィナンシャルグループ社長




「人間到る処に青山有り」

 中島氏は1963年9月愛知県生まれ。86年東京大学工学部卒業後、旧住友銀行に入行した。県立旭丘高校、東大のラグビー部で活躍した。

 ラグビーを始めたのは、中島氏の叔父がラガーマンで、愛知県立千種高校ラグビー部の監督を30年にわたって務めた人物だったことで、早くからラグビーに親近感を持っていたから。

 住友銀行への入行も、ラグビーとの縁が関係している。何回目かの面接時に面接官として現れたのが、大学時代にラグビー日本一、日本代表選手、日本代表監督を務めた宿澤広朗氏。「私からすればヒーロー」と感激する中島氏に、宿澤氏は「うちの会社に興味があるのか。いい会社だぞ」と話した。内定が出たのも早く、入行を決めた。「人とのご縁を感じる」

 会社生活の中で最も厳しかった時期として、1990年代終わりの日本の金融危機時代を挙げる。企画部の若手だった中島氏も厳しい立場に立たされる場面が多く、一時は会社を辞めることも考えた。

 この時に浮かんだのが、今も座右の銘にしている「人間到る処青山有り」。「人間はどこにでも骨を埋める場所ぐらいはある」という意味だが、この言葉を思い出して「人間いつかは死ぬ。自分がやりたいことをやって生きよう」と肚が決まったという。

 新たなリーダーとして会社を牽引する立場になったが、金融業界は今後、大きな変化に見舞われる可能性が高い。そこを乗り切る「覚悟」が中島氏に問われている。

Pick up注目の記事

Related関連記事

Ranking人気記事