2024-03-06

清明祐子・マネックスグループ社長CEO 「NTTドコモとの提携で、投資をより生活に身近な存在に」

清明祐子・マネックスグループ社長CEO




日本の底力を世界に発信する時

 ─ 清明さんは若い世代で変化を乗り切っていこうという発信をしてきましたね。

 清明 ええ。世代交代も大きなテーマだということは、様々な場所で申し上げています。

 例えば近年、女性の活躍が叫ばれていますが、世代が一世代でも代わってくると、おそらくこのような議論はなくなるのだと思います。今の若い世代はあまり男性、女性で区別する意識を持っていないのではないかと。

 また、生まれた時から生活の中にインターネットがある世代は最初から効率的です。情報収集をする時に一生懸命調べて、書いてという世代と、タイピングするだけでグローバルな情報にアクセスできる世代とでは情報を得るスピードが全く違っています。

 そうすると働き方も自ずと効率的になっていくと。世代が代わると価値観も当然変わりますし、男性、女性を意識することなく、本当の意味でのダイバーシティ(多様性)を実現する意味でも世代交代は大事です。

 ─ 日本が再び成長するために何が必要だと考えますか。

 清明 日本国民は皆さん真面目です。その持てる力、企業の力を含めてもっと出していけば、さらに成長ができるはずです。

 それを非生産的なことをして効率性を落としたり、付加価値の追求よりも管理や前例踏襲することに時間をかけてしまうと、新しいアイデアも出てきません。

 底力はあるはずですから、今後は経営者も含め、もう少し先を見る方向に持っていく。元々モノづくりの国ですから技術もありますし、教育レベルも高い。もっと日本から世界に出していけるものはあるはずです。

 デフレの時代は守りの姿勢が強かったですが、これからはインフレの時代ですからカギは成長です。そうした力を開放していくことを政府も企業もやっていかなければなりません。

 ─ 規制改革はなかなか進んでいませんね。

 清明 例えば、中国では最初は規制がなく、問題が起きた後から取り締まっています。日本は先に規制があり、それを守ることから始めてしまう。今後はその「箱」から出て、自ら新しいルールをつくる方向を目指す必要があります。今の若い世代は、背中を押して上げたら、いろいろな発想を出してくれるはずです。

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