2022-08-23

【東宝・松岡宏泰新社長が登場】演劇・映画・不動産に次ぐ「第4の柱」にアニメ事業を据えた理由とは?

東宝・松岡宏泰社長



実写化やグッズ販売など事業の幅が広がるアニメ

 ─ それほどアニメが大きな存在になっているのですね。『ゴジラ』も原動力として東宝を引っ張っている存在ですね。

 松岡 ええ。『ゴジラ』シリーズは「もっとも長く継続しているフランチャイズ映画」というカテゴリーでギネス世界記録に認定されました。『ゴジラ』はほとんどの国で通用する、日本でも稀有な存在です。

 おそらく過去も東宝の社員が「うちはゴジラの会社だよ」と言えば世界でも通用しただろうし、今も東宝とはどんな会社ですか?  と聞かれたら「ゴジラの会社です」と言うと「あぁ! あのゴジラの? 」と言われます。ゴジラは我々の看板なのです。

 ─ 日本のアニメに対する評価は世界でも高いということですね。

 松岡 そうですね。私たちにとって大きな財産です。だから私は日本のエンタテインメント界はもっと外をみなければならないと思います。たとえば、『劇場版 呪術廻戦 0』は日本での興行収入が約138億円、世界の興行収入は約116億円です(7月13日現在、中国未公開)。

 日本でこれだけ大ヒットした映画が海外でもヒットしているという事例は、1999年の『劇場版 ポケットモンスター ミューツーの逆襲』以来はじめてですね。日本と海外ではチケット代が違うので興行収入を比較しただけではわかりにくいですが、日本と海外の観客動員数で言うと、海外の方がたくさん見ていらっしゃる。

 こうしたアニメでの成功を切り口に、次は実写製作の成功確率を上げていきたい。日本のIP(知的財産)の可能性は素晴らしいと思います。アニメーションで広げた世界中の注目を、日本の実写にも向けてもらいたいのです。

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