変革期は、やり甲斐がある!
『悲観は感情から生まれ、楽観は意志から生まれる』─。哲学者・アランのこの言葉を御手洗氏は好む。
「感情的というのは、どうしても悲観的になっちゃうんですね。だけど、どんな苦境でも楽観主義を貫くには、意志が強くて、不屈の覚悟が求められます。そうでなければ、楽観的にはなれないです」
コロナ禍は人の生き方・働き方に大きな影響を与え、テレワーク、在宅勤務を生んだ。
今後、ネット世界とリアル(現実)な世界との兼ね合いはどう考えていけばいいのか?
「ネットで出来るものについては、ネットでやる。うちの本社機能だと2万5000人位いますが、その内3500人位はテレワークでやっています。テレワークを正式な仕事の形態として決めました」
御手洗氏はこう語り、「一番喜んだのは開発部隊。彼らは、徹夜で研究しているわけです。また、そうしないと気が済まない。会社だと、残業はいけないとか、限度がありますからね。自宅だと自由に、服装もリラックスして、夜中にやろうと、何であろうと勝手ですからね。だから開発の連中は喜んでいる」という認識を示す。
人間中心主義、そして『自発、自治、自覚』の哲学はいつの時代、またどこの国の関連会社でも変わらない。
「はい、海外も哲学は同じです。経営の仕方は国によって違いますが、基本精神ではわれわれはぶれないです」
変革期はおもしろいし、仕事のやり甲斐があるという御手洗氏である。