2022-10-28

世界が混沌とする中、経営者に求められる覚悟─ キヤノン・御手洗冨士夫の その国の文化、民族性に合わせた人事・雇用を!

御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長CEO

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変革期は、やり甲斐がある!


『悲観は感情から生まれ、楽観は意志から生まれる』─。哲学者・アランのこの言葉を御手洗氏は好む。

「感情的というのは、どうしても悲観的になっちゃうんですね。だけど、どんな苦境でも楽観主義を貫くには、意志が強くて、不屈の覚悟が求められます。そうでなければ、楽観的にはなれないです」

 コロナ禍は人の生き方・働き方に大きな影響を与え、テレワーク、在宅勤務を生んだ。
 今後、ネット世界とリアル(現実)な世界との兼ね合いはどう考えていけばいいのか?

「ネットで出来るものについては、ネットでやる。うちの本社機能だと2万5000人位いますが、その内3500人位はテレワークでやっています。テレワークを正式な仕事の形態として決めました」

 御手洗氏はこう語り、「一番喜んだのは開発部隊。彼らは、徹夜で研究しているわけです。また、そうしないと気が済まない。会社だと、残業はいけないとか、限度がありますからね。自宅だと自由に、服装もリラックスして、夜中にやろうと、何であろうと勝手ですからね。だから開発の連中は喜んでいる」という認識を示す。
 人間中心主義、そして『自発、自治、自覚』の哲学はいつの時代、またどこの国の関連会社でも変わらない。

「はい、海外も哲学は同じです。経営の仕方は国によって違いますが、基本精神ではわれわれはぶれないです」

 変革期はおもしろいし、仕事のやり甲斐があるという御手洗氏である。

本誌主幹 村田博文

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