2022-10-19

【母の教え】園田崇史・ウフル社長「『相手の人の話を最後まで聞きなさい』という母の言葉が、今の私の礎になっている」

ウフル社長 園田 崇史



学生結婚を決めた時に…


 両親からは放任主義というか、自分の選択に任せてもらって育ちましたが、1回だけ、母から強烈な言葉をもらったことがあります。

 私は大学3年生の時に結婚しました。19歳で結婚することを決め、20歳で結婚したのです。学生結婚ですから周囲からは驚かれましたが、先に彼女が妊娠したとかではなく、「結婚するなら今、この人だ」と感じて、結婚を決めました。

 一般的に、学生結婚をする際に両親からの反対が強かったという声を聞きますが、私の両親は「あなたが決めたことなら」と反対しませんでした。

 ただ、結婚する直前のお正月に実家に帰った際、母から「どうしても言っておきたいことがある」と呼ばれました。非常に珍しいことで、何を言われるのかと身構えました。

 母からは「あなたは、この1年間、何があっても、自分の意見と違っていても、相手の人の話を1回、最後まで聞きなさい」と言われました。私が覚えている中で唯一と言っていいくらい、強い母の言葉でした。

 実際に1年間、母の言葉を信じて、結婚生活であれ、サークル活動であれ、どの場面でも、とにかく「まず聞こう」というスタンスで過ごしました。

 私自身、話を聞き終える前に自分から話し出したり、行動したりする人間でしたから、正直ストレスが溜まることもありました。しかし、結果的には、そのことが自分の中の「礎」となり、その後の人生におけるスタイルとなったのです。自分の考え方は持ちつつも、まずは相手の話を聞いてから物事を判断するようになりました。

 また、母は私が子供の頃も忙しく働いていましたが、今も現役の医師として働く、まさに「働き者」です。その中でも常に母が欠かさずにやっていたことがあります。それは父親の両親のお墓参りや掃除です。

 どんなに忙しくても毎朝、お墓に行っていました。私もその行動に影響を受けて、小さい頃からお墓参りが好きでした。今も、仕事は忙しいですし、この2年余のコロナ禍では大変なこともありましたが、できる限りお墓参りに行くようにしているのです。

 お墓参りに行き、亡くなった祖父母のことを考えると、いつも勇気をもらえますし、自分が恵まれた環境にいることを実感できます。私にとっては非常に大事な時間ですし、母の背中を見ていたからこそだと思っています。

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