2022-10-19

【母の教え】園田崇史・ウフル社長「『相手の人の話を最後まで聞きなさい』という母の言葉が、今の私の礎になっている」

ウフル社長 園田 崇史



地域の良さをテクノロジーで引き出す


 私は医師の道ではなく早稲田大学政治経済学部に進み、卒業後は電通に入社しました。当時から、自分で事業を起こしたいという思いを持っており、一番人との出会いがある会社だと考えて、電通に入ったのです。

 自分で事業を起こすという原点には、両親が自分達で開業していくプロセスを見ていたことがあります。その姿から「自分達で事業をやるというのは、こういうことなんだ」という思いを持ちました。

 また、幼稚園での原体験から、世界中の人達と出会って、いろいろな話を聞いて、新しいことを生み出す仕事をしたいとも思っていました。

 私は、自分のことを「臆病」だと自己分析していますが、何か物事を決める時には、一切迷いがありません。先程のように、いろいろな話を聞き、行動してきたことをベースに、最後は自分の直感を信じるのです。

 私は電通、モルガン・スタンレー、日興シティグループ、ライブドア(現LINE)を経て、2006年にウフルを設立して社長に就任し、現在に至ります。両親は、日々忙しく国内外を飛び回る、今の私の姿を見て、「落ち着きがないな、小さい頃から変わっていないな」と思っているのではないかと思います(笑)。

 健康のことだけは常に気をかけてくれていますし、見守ってくれているなと感じます。

 ウフルという社名はスワヒリ語で「自由」を意味します。私自身、常に自由を求めてきましたし、同じ気質は両親にも感じます。

 戦後、日本が豊かになっていく中で、学生運動やビートルズの音楽など、「自由な空気」を最初に吸った世代だと思います。だからこそ、両親も卒業後すぐに結婚をしたのでしょう。

 今、私は「セールスフォース」の導入支援やデジタルマーケティング支援、クラウド・IoTシステムの構築の他、「Society 5.0」 を実現するために必要なデータ連携基盤などを含むウフル独自のサービス群「CUBE01」の開発にも取り組んでいます。

 今後も、テクノロジーを駆使して企業や自治体のデータを利活用することで、世の中の「無理・無駄」をなくし、全てがスムーズに動く持続可能な世界、〝SMOOTH WORLD〟を実現していきたいと考えています。

 私は事業を通じて、いろいろな方に希望や可能性を与える存在でありたいと思っています。また、日本が本来持つ「底力」は地方にありながら、まだ眠っているものが多いと感じています。これを掘り起こすためのお手伝いをしたいと考えています。

 その地域の良さを、テクノロジーの力を使って引き出すのが我々の仕事です。

 日本各地、どこに行っても神社を参拝するようにしていますが、やはり過去があって未来があります。先人達の取り組みがあって、今我々の事業がありますし、両親がいたから私がいる。その感謝を胸に、これからも仕事をしていきたいと思います。

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