2022-11-10

【宮崎県】河野俊嗣知事が語る” 地方創生への方策”

宮崎県知事 河野 俊嗣 Kouno Syunji



焼酎と餃子で日本一

 輸出先としては米国が最も多く、香港、台湾が続きます。コロナで落ちている部分もありますが、飲料を含む食品の出荷額は増加傾向にあります。焼酎も8年連続で出荷額が日本一になりました。口蹄疫など災害が続いた状況から、成長軌道に持っていった手応えはあります。 

 ただ、足元ではコロナに加えて原油高や物価高が大きな課題となっていますので、こちらも元の成長軌道に戻していくことが重要だと思っています。 

 やはり本県の特色の1つは「食」です。「食の王国・宮崎」として国産キャビアも生産しており、コロナ禍でも巣ごもり需要などで消費が伸びています。 

 ─ 国産キャビアで話題に火をつけましたね。 

 河野 ええ。さらに最近では2人以上1世帯当たりの餃子の購入金額が日本一になりました。これまでも3位や4位に位置していたのですが、宮崎市内の餃子普及協議会の熱心な取組みで、ついに日本一となったのです。 

 必ずしも「この味が宮崎の餃子」と確立されたものがあるわけではないのですが、肉や野菜などの素材はもともと素晴らしいものがありますし、宮崎では持ち帰りのお店が多く、買っていく人も「この前お世話になったから」と、ご近所さんに配る分も買って帰るようです(笑)。そこで購入金額も増えていくと。宮崎県民が持つ温かい県民性を感じますね。 

 ─ 先ほどの原油高などからの再生という点では、どんな対策を打っているのですか。 

 河野 物価高の影響を受けた暮らしや経済を再生させていこうということで、「宮崎再生」を旗印に、地域経済を支援する30億円の「宮崎再生基金」を創設しました。口蹄疫のときと同額の基金です。今回も当時と同様の深刻な影響が出ていますので、地域経済をしっかり元気づけていこうと。 

 一方で県民が元気になる話題も必要です。その点では様々なイベントがあります。スポーツでは来年2月、野球のワールド・ベースボール・クラシックを前に、侍ジャパンの合宿が決まっていますし、4月にはG7農業大臣会合が行われます。さらに来年は置県140年ということで、初めて「宮崎県人会世界大会」を開催する予定です。 

 ─ これらのイベントが地方創生への弾みにもなりますね。 

 河野 ええ。他にもラグビーの日本代表が宮崎で合宿中なのですが、現在、国内外のトップアスリートをメインターゲットとした「屋外型トレーニングセンター」を整備しています。 

 ラグビーのみならず、サッカーのプロチームや陸上競技などのチームが合宿する際の練習環境をより強化することとしています。


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