2023-01-20

人手不足時代の学び直しをどう進めるか 関根 潔・インタラクティブソリューションズ代表取締役

関根 潔・インタラクティブソリューションズ代表取締役



 同社が開発する法人向けの営業支援プラットフォーム『Interactive-Pro(インタラクティブ・プロ)』は、医師とMRや、上司と部下の対話履歴をデータベース化。約8万ページの中から、必要な単語を話すと、わずか2秒でAIが関連事例を探し出して画面に表示。AIを有効に活用すると、顧客の疑問を電波が届かない場所でも速やかに解決することができる仕組みだ。

 関根氏が医師に聞いたところによると、医師同士では15秒程度で説明できる専門的な話をMRに伝える場合は5~10分程度かかってしまう。こうしたギャップが医師にとってはかなり煩わしい点になっているという。

「日本では臨床をやっていないMRが臨床の話をしなければならないが、海外ではMR自体がドクターの資格を持っていたり、同等レベルの人たち。日本ではそうしたレベルに達しているのは、残念ながら全体の1~2割程度。コロナ禍で医師側が求めるレベルがより明確になったように思う。残り8割の人を、顧客が望む高いレベルに速やかに育てていく仕組みが必要であると、切実な声をいただいている」(関根氏)

 そこで開発したのがAIを活用した『iRolePlay(アイロールプレイ)』。時間や場所をとられず、プレゼンテーションやコミュニケーションの練習を図ることができる仕組みだ。

 このツールを活用することで、新入社員や若手のレベルアップに加え、経験豊富な営業担当者のプレゼンやノウハウを共有。実際の営業活動と同じようにAIドクターに質問することもできる。スムーズな会話ができるようになったら、上司などと実際に会話をするなどして、人とAIで役割を分担できる。

 営業担当者にとっては限られた面談時間の中で、効率よいプレゼンが求められる。同社の調査によると、〝話すこと〟が記憶の定着を促し、伝わる説明につながるのを64%アップさせ、効率よく営業活動ができるようになったという。

「かつては40代が20代のMRの面倒をみていたのに、今はどこも人手不足になって、30代同士、20代同士で練習していたりする。でも、経験がある人が面倒をみるから育つのに、今はそうでないから人が育ちにくくなっている。上司だって忙しいので、1から10まで人対人で練習するよりも、AIを効率的に活用した方がいい」(関根氏)

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