2023-01-20

人手不足時代の学び直しをどう進めるか 関根 潔・インタラクティブソリューションズ代表取締役

関根 潔・インタラクティブソリューションズ代表取締役


研究開発型企業として…


 関根氏は1965年岡山県生まれ。明治薬科大学で薬剤師免許を取得し、1990年日本ロシュ(現・中外製薬)入社。ここで病院や薬局への営業やマーケティングを行い、2001年ノバルティスファーマへ転職。

 共にスイスの製薬企業で「スイス企業はムラ社会で、競合というよりも、どうしたら国全体として生き残れるのかを考える文化があり、本部長同士がトレードしたような形での転職になった」(関根氏)と苦笑する。

 ここで顧客データベースや製品情報サイトの構築、営業社員向け社内イントラネットの構築など、ITをビジネスに活用した様々な仕組みづくりに従事。DTC(疾患啓発)サイトの構築で「厚生労働大臣賞」を受賞するなどの実績を残した。

 ところが、関根氏は過労がたたってダウン。この頃、世の中にはパソコンよりも小型で手軽に持ち運ぶことができるタブレット端末が普及。会社にあるコンテンツやデータの中から最適な情報を取り出し、顧客と面談した時に即座に提供できる仕組みができれば、営業活動がもっと効率化できるようになるのではないかと考え、2010年に独立して同社を設立した。

 最近はアイロールプレイの仕組みを生かして、MR向けの営業トークの向上だけでなく、金融機関や自動車業界などの要請を受けて、外国人社員の日本語練習などにも応用。あらゆる業種の営業スキルや語学学習への活用を図ろうとしている。

「人間は常に新しい情報をつくり、アップグレードする。AIは新しい情報はつくれないが、過去の情報から学ぶ。人間とAIをうまくコラボさせることができれば、視野が広がった営業スタイルを習得できるのではないかと。特に最近は政府がリスキリング(再教育)など人への投資に充てるとしており、様々な教育現場での応用も考えられる。これから労働人口がどんどん減っていく中で、日本再生のカギを握るのは〝人〟。当社も研究開発型企業として、ITの活用で人間の価値を今まで以上に高めていくことができれば」と語る関根氏。

 製薬業界での実績を武器に、新たな領域への挑戦が続く。

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