「投資の王道」を歩む!
プラス要因、マイナス要因が同居する中をどう生き抜くかという命題。「どんな金融環境、どんな経済環境であっても、どんなに上げ下げしても、変わらない運用方針。これが2つあります」
清水氏はこうことわりながら、次のように続ける。
「1つは資産配分です。資産配分はその状況にかかわらず、長期的視野を持つ。それから負債に見合ったALM(資産と負債の総合管理)運用をする。それから分散です。資産分散、通貨分散、時間分散ですね。長期的、ALM、分散、この3つを基軸とする資産配分です。これはどんな環境でも変わりません。変わることなく持ち続けている方針です」
長期的な視座を保ちながら、資産配分をしていく。そのことが経営の持続性を担保するという経営の基本姿勢。
そういうスタンスを保ちながら、清水氏は「もう1つはフォワードルッキング(先を見越した)なリスク管理。先々を見据えたリスク管理を徹底的にやっていくということです」と語る。
そのように資産運用を行っていく上で、例えば外貨建て資産の入れ換えをどう進めるか?
例えば、グローバルに金利が上がる前に投資をした外貨建て債券には低い金利が付いている。この低い金利が付いている債券に対する円建てヘッジをする場合、ヘッジコストは非常に高くなる。
「そうしますと、得られるクーポンとヘッジコストを考えるとき、その銘柄によっては収益率が、現在ヘッジコストが上がったことによって、大きく収益率が下がるものもあれば、場合によってはマイナスになるものもある」
では、どう動くのか?
「長期的に見れば、これを損を出してまで売って、新しく、いま金利が高くなっているもの、もしくはこれから中長期的に収益率がいいと思われるような国とか、地域とか、銘柄に投資し直す。入れ換えをするということが、とても大事です。すでに取り組んでいるし、これからも取り組んでいかなければいけないと思っています」
清水氏はこう述べ、自分たちの基本スタンスを明確に、はっきりした口調で表明する。
「長期投資家ですから、損を出しても、長期的に見て、最適な資産配分に入れ換えていくと。それが、投資の王道です。まさに投資の王道を実践するタイミングに今あると」
時代の転換期は、企業の命運を分けることにもなる。では、この混沌期をどう捉えるか?